口の病気
口の病気
歯の病気は歯科を受診されると思います。その他の部分は耳鼻咽喉科、歯科口腔外科で診療がなされます。
口からのどに病気がひろがっている場合や上顎から鼻にひろがっている場合は耳鼻咽喉科の方が適切なこともあります。歯や顎の関節に関することはやはり歯科に受診していただくことをお勧めすることがあります。
どちらの科でも良い場合もありますし、どちらが良いか分かりにくい場合もありますのでお気軽にご相談ください。
口内炎が一般的かと思います。頬の内側や歯ぐき、舌などの粘膜が炎症を起こしている状態です。傷つけてしまった場合や、ウイルスによるものや原因がはっきりしないものもあります。
治りにくいものには亜鉛やビタミンが足りていない場合や自己免疫性疾患といって免疫関連の病気が隠れている場合があります。
また、ずっと同じ所にあって治らない(できたり治ったりの繰り返しでない)場合はがんの可能性があり、注意が必要です。
舌痛症と呼ばれる病気もあります。口内炎の様に炎症所見はなく、正常の方と変わりありません。しかし、舌に慢性的な痛みやしびれが生じてしまうのです。原因は開明されておらず、症状をやわらげるために痛み止め等、お薬を調整させていただき経過をみることになります。
味覚障害の原因として代表的なものは亜鉛不足です。その他の原因として炎症や乾燥で口の中の粘膜が正常でない場合や、貧血、消化器疾患、糖尿病、肝不全、腎不全、甲状腺疾患など内科的な病気よって味覚障害が引き起こされることもあります。
また、味覚の障害はないのにおかしく感じられてしまう状態として嗅覚障害(においの異常)があります。食べ物の美味しさを判定するのには舌の他に鼻、においも重要な要素となるため、嗅覚障害でも味がおかしいと感じることがあるのです。
亜鉛が足りない場合には亜鉛の薬を内服していただきます。漢方薬で改善することもあります。
味覚障害をきたす疾患が診断されている場合はそちらの治療を検討します。
目が乾くドライアイの方が一般的かもしれませんが、口の中が乾燥することもあります。
シェーグレン症候群やIgG4関連疾患といった免疫関連の病気が隠れていることもあります。
放射線治療を口の中を含めて行われた方はほぼ必発であり、飲み込みにくい、虫歯になりやすいの等のデメリットも含めてうまく付き合っていかなければなりません。
血液検査をしたり、ドライアイもあるか調べたり、口の粘膜を切って組織を検査に出すこともあります。
舌がんで代表される口腔がんがまず除外したい病気になります。治らない口内炎として、発見されることがあります。
白板症や前癌病変と言われるものはがんでなくとも切除を検討することがあります。
のう胞と言って、薄い膜に包まれ中に液体が溜まるものも口の中にできます。唇の粘膜など噛んでしまったり、歯があたったりする部位で唾液の出口を塞いでしまって、唾液が溜まってしまうことがあるのです。傷ついた唾液腺(唾液を作る組織)が小唾液腺であれば唾液腺ごと摘出すると治すことができます。舌下腺の場合は薬物を注射し、わざと炎症を起こして治す方法もあります。血管腫と呼ぶ血管の形の異常も口の中にできることがあります。赤黒い色が特徴的です。あまりに大きかったり、血が出たりする様であれば手術を考えます。特に悪さをしないものは様子見で変わりないことも多くあります。